Archive for the ‘相続遺産分割その他’ Category
「寄与分」
◎寄与分とは
被相続人と長年一緒に農業や経営に従事してきた相続人や、被相続人の面倒・療養看護に努めてきた相続人は、他の相続人よりも恩恵を受けるべきと考えるのが自然ですね。
このように、被相続人の財産の増加や維持に特別寄与したり、被相続人の看護に特別努めてきた相続人には、自己の相続分につき、そのことを加味するよう主張することができます。これを寄与分と言います。
◎寄与分のよくある勘違い
そもそも親子・夫婦・兄弟間などの親族間では互いに扶養義務(民877Ⅰ)や互助義務(民730)を負っており、この義務の範囲内の貢献は特別の寄与には当たりません。
このことは、被相続人と共同相続人との身分関係において通常期待される程度の貢献は、法定相続分の設定に当たって既に評価済みであるということを意味します。
従い、配偶者の日常家事労働や単に親の通帳を管理してきたというだけでは、「特別の寄与」には該当せず、寄与分は認められないでしょう。また、寄与分を受けることができる者は相続人に限ります。
よって、生前にとても良くしてくれた近所の方や相続人とはならない親族に寄与分は認められません。
◎寄与分を認めてもらうには
寄与分は、寄与に値する相続人が、自ら他の相続人に対してその旨を主張したり、他の相続人の方から、「○○は長年被相続人の療養看護に努めたのだから、私達よりも財産の分配を多くしよう」といった、「働きかけ」を必要とし、法定相続分のように、相続開始とともに何ら行為を要せずして自然と定まる性質のものではありません。
寄与分の定めは、一義的には相続人全員での話し合い(裁判外)、話合いで寄与分を認められなかった場合には、家庭裁判所に調停を申立てることが可能です。
◎寄与分を有する者の相続分計算方法
相続開始時の財産の価額-寄与分の価額(A)
=みなし相続財産(B)
↓
B×相続分+A= 寄与分を有する者の相続分
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「生前贈与・特別受益」
◎特別受益とは
共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けた者がいる場合に、遺産分割協議の際、これらのことを除外し、相続開始時に残っている財産だけを遺産分割の対象にしたのでは、遺贈や生前贈与を受けていない相続人に対して酷であり公平でありません。
そこで民法は、被相続人から遺贈を受けたり、生前贈与を受けた者がいる時はその者の相続分を減らすことにしており、この遺贈や生前贈与のことを特別受益と言います(その相続人を特別受益者と言います)。
◎持戻し・みなし相続財産
特別受益者の相続分を計算する為に、特別受益を相続財産に加算することを「持戻し」と言い、特別受益を相続分に持戻して計算の基礎とした財産のことを「みなし相続財産」と言います。
◎特別受益となる範囲
遺贈についてはすべてが持戻しの対象になりますが、生前贈与については「婚姻、若しくは養子縁組のため、若しくは生計の資本としての贈与」が持戻しの対象になります。
持戻しの対象となる目安
- 大学の学資
- 結婚の支度金・持参金
- 車の購入
- 保険金の受取人
持戻しの対象にならない目安
- 私立高校の学資
- 結納金・挙式費用
◎持戻しはあくまで目安です!
例えば、被相続人の地位や資力からして大学への進学が通常である場合や、資産家の子供達は全員大学卒業までの学資を出してもらっている場合には、特別受益とは言えない場合もありますので(判例)、個々の事情によって対象となるか否かは一律ではありません。
◎持戻しの免除
被相続人は、遺言によって、特別受益分を考慮しないで遺産を分配するよう意思表示することができ、遺言にこの旨記載があると、相続人はこれに従うことになります(これを持戻しの免除と言います)。
但し、持戻しの免除によって遺留分までもが侵害された相続人は、遺留分減殺請求によって、自己の遺留分は保全することができます。
◎特別受益者の具体的相続分計算方法
相続開始時に存在する財産の価額
+
持戻しの価額(特別受益分)・・・A
↓
みなし相続財産・・・B
B×相続分-A= 特別受益者の相続分
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遺産分割協議は公平に行わなければなりません。
従い、相続人が未成年者・行方不明者・認知症であるなど、その意思表示ができない場合や知識や交渉力等の均衡が保てず、公平とは言えない等の状況下においては、その者に代わって協議を行う機関を選任し、適正に分割協議を行う必要があります。
◎相続人の中に認知症の方(被後見人)がいる場合
かかりつけのお医者さんから認知症若しくはその疑いがあると診断されている場合は勿論のこと、そのような診断(客観的証明)がなくても、日頃、もの忘れが多く、表現が適切ではないですが、「ボケてきているかな?」と思われる方が相続人の中にいる場合には、後の無用なトラブル(取消し)を避ける為に、第三者がこの方に代わって遺産分割協議に参加したほうが賢明でしょう。 わが国の制度には成年後見制度というものがあります。
成年後見制度とは、ご本人の判断能力に応じ、その方に代わって法律行為を行う機関(後見人)であり、日頃問題になっている悪質リフォーム被害など、判断能力の衰えた方が不利益を被らないように、ご本人をサポートする制度です。
成年後見人が選任されている場合には、後見人がご本人(被後見人)に代わって遺産分割協議に参加する必要があります。
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遺産分割協議は公平に行わなければなりません。
従い、相続人が未成年者・行方不明者・認知症であるなど、その意思表示ができない場合や知識や交渉力等の均衡が保てず、公平とは言えない等の状況下においては、その者に代わって協議を行う機関を選任し、適正に分割協議を行う必要があります。
◎相続人の中に行方不明者がいる場合
行方不明者が財産管理人を置いているときはその者が、置いていない場合には、家庭裁判所への申立により不在者の財産管理人を選任し、この者が行方不明者に代わって話合いの場に参加する必要があります。
尚、行方や所在が不明と言う訳ではなく、生死そのものが不明であり、その状態が7年以上続いている時は、失踪宣告を申立て、その審判が下されれば当該生死不明者は死亡したものとみなされて相続人から外れることになります。
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遺産分割協議は公平に行わなければなりません。
従い、相続人が未成年者・行方不明者・認知症であるなど、その意思表示ができない場合や知識や交渉力等の均衡が保てず、公平とは言えない等の状況下においては、その者に代わって協議を行う機関を選任し、適正に分割協議を行う必要があります。
◎相続人の中に未成年者がいる場合
まず、未成年者であっても、自ら遺産分割協議に参加して、自分の意思を表示することは可能であり、当該協議は無効ではありません、たとえ法定代理人(親権者または未成年後見人)の同意を得ていなくてもこれは同じことです。
しかし、法定代理人(親権者または未成年後見人)の同意を得ずして参加した遺産分割協議は、「取消し得る」ものとなるため、協議内容が覆る可能性がある以上、安定(安全)なものとは言えず、結局は親権者の同意または親権者が未成年者に代わって遺産分割協議に参加する必要があると言えます。
未成年者の法定代理人(親権者または未成年後見人)自身も相続人の一人である場合、当該法定代理人は、未成年者の代理人にはなれません(利益相反)。
この場合には、家庭裁判所への申立により特別代理人を選任し、当該代理人が未成年者に代わって話合いの場に参加する必要があります。
未成年者が数人いる場合、法定代理人(親権者または未成年後見人)はその未成年の子それぞれの代理人となることはできません、子供達同士の間で利益相反が生じるからです。
この場合には一人の子に対しては法定代理人が代理人となり、その他の子についてはそれぞれ特別代理人を選任する必要があります。
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